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2024.07.01
今から47年前の1977年5月1日、新生病院の初代院長スタート博士は世を去られました。8日後に新生礼拝堂で行われた追悼の会で、豊岡陸郎司祭は次のように述べています。
「先生は肉体の医者であったと同時に、それにも増して魂の医者でした。先生は私たちに、人間一人ひとりの尊厳を教えてくださいました」
わたしたちは今日、豊岡司祭が言われた「人間一人ひとりの尊厳」という言葉を深く心にとめたいと思います。聖書において、神様は人間をご自分の姿に似せて作られたとされています。どのような人間であっても人は皆、尊いもの、かけがえのないものを持って生まれてくるのです。もちろん、人間は不完全で弱い存在であり、時に罪を犯し、愛から離れてしまうことがあります。しかしそんなわたしたち人間を無条件で迎え入れ、疲れたものを癒し、重荷を背負ってくださる方、尊厳を回復させてくださるのがイエスという方です。
医師としてのスタート博士は、そのようなイエスのお姿を思わせるような方でした。患者さんの食事の介助やエレベーターの操作、徹夜での看病など、自分よりも患者さんのことを常に優先し、大切にする方でした。そして信頼するスタッフと共に、支え合い助け合いながら仕事を行われました。病院の働き人たちが心を一つにして、患者さんやご家族のいのちを、生活を、そして尊厳を守る。それこそがスタート先生が、この病院が、病院創立以来大切にしてきたことなのです。
時代が変わり、社会背景が変わり、新生病院は変革の時を迎えています。そのような時にこそ病院の創立以来、地下水のように流れるいのちの流れ、人間の尊厳を回復されるいのちの泉に触れ、それを深く掘り下げ、そこから飲んでいきましょう。わたしたちがこれからもスタート博士の、そして先人たちの志を受け継ぎ、変わりゆく世界への飽くなき挑戦と変わらない人間の尊厳を守り続ける働きを、続けていくことができますように。