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世界の医療団(メドゥサン・デュ・モンド MDM)のスマイル作戦・カンボジアミッションに参加しました 2006/12/03~08

寺島左和子(医師・形成外科)


2006年12月3日から12月8日まで、世界の医療団(メドゥサン・ドュ・モンド MDM)のスマイル作戦(子供たちに笑顔をとりもどす)・カンボジアミッションに参加しました。

MDMは、1980年、国境なき医師団(MSF)の創始者ベルナール・クシュネルが、MSF出身の15名の医師グループと共にボートピープルの救助活動を行ったことが発端となり、設立されたものです。

私にとって今回は2度目の参加でした。フランスからは7名が2~3週間参加しました。内訳は形成外科医1名、脳神経外科医1名、麻酔科医2名、看護師2名です。日本からは1週交代で形成外科医師2名、看護師1名の体制での参加です。長期休暇を取れるフランスと、1週間の休暇がせいぜいの日本との社会体制の差が見えます。

寺島左和子医師

寺島左和子医師



12月3日の朝、成田を発ちホーチミンで飛行機を乗り換え、夕方プノンペンに着きました。3週目にあたる私たち3人は2度目参加の上野看護師(杏林大学病院勤務)とはじめて参加の浅野医師(東大と同愛記念病院勤務)そして私と女性ばかりです。空港でビザを取った後出国です。MDMのマークを掲示し、同じくMDMのマークを見せている出迎えの運転手に出会って車に乗り込み、プノンペン市のホテルに行きました。道すがら1年ぶりに見る景色はとても懐かしい。こんなに懐かしく思うとは想像もしませんでした。ホテルは昨年と同じですが、エレベーターは修理され動いているし、部屋も改装されとてもきれいになっていました。
いざ病院へ出発。

いざ病院へ出発。
ホテルの前でフランスチームと一緒に。

左よりポーレット(ナース)、フレッド(形成外科医)、ブルーノ(麻酔医)、上野(ナース)、クロディーヌ(麻酔医)、フランク(脳神経外科医)、私、シルヴィー(ナース)


翌12月4日朝7時半、ホテルを出発し病院へ。フランスチームは、麻酔医のブルーノ以外はもうひとつの病院、ローズチャリティー病院に行きます。私たちの働き場所はコサマック病院といって、プノンペン市内にあります。病院の敷地内にMDMの事務所と診察室の建物があり、今回また新しく診察と入院もできる建物ができていました。手術室はないのでコサマック病院の手術室を借ります。コサマック病院は約400床あり、形成外科医が現在2名いて手術をしていますが、スマイル作戦中、彼らは自分たちの手術をせず手術室を貸してくれるのです。使用料としてMDMからコサマック病院への支払は、手術室使用と手術室スタッフの協力に対して週100ドルです。

スマイル作戦では、貧しくて医療費の払えない人たちの先天性奇形や熱傷後の引きつれ、皮膚の腫瘍などの手術を無料で行います。カンボジアでは、日本のような国の医療保険や医療費援助の制度がありません。たとえば唇裂の手術を受けるには、約150米ドル(約2万円)必要だそうです。貧しい人にとって150ドルは大金です。ちなみに、コサマック病院の形成外科医の週給が18ドル(1ヶ月で72ドル、円に換算して月約8,000円)だそうです。



病院ではまず新患を診察し、手術スケジュールを決めます。12月4日は15人来ました。診察は浅野先生にお任せして、私は処置室に行って、先に手術を受けた患者さんのガーゼ交換や抜糸などをDr.Lyがしてくれているのを見、カメラに収めました。私たちは日本から行って手術だけして帰るので、術後の抜糸などは全部Dr.Lyたちがしてくれるのです。


手術は4日(月)から8日(金)で23件行いました。1日4~5人です。全身麻酔はフランス人のハンサムなDr.ブルーノが掛けてくれます。どんな難しい症例もサラリと麻酔をかけるベテランです。看護師の上野さんはフランス語会話も勉強していて、片言ながらフランス語と英語でしっかり麻酔の介助や手術の相談をしていました。浅野先生は初めての海外医療援助参加ということでしたが、てきぱき仕事をこなして見事でした。

停電は手術途中1回だけで、日本から準備した明るい懐中電灯が役にたちました。手術の器械はMDMのものがあり、自分たちでも必要なものは持参しますが、今回は骨切り器械がなくて困りました。スタッフに頼んでコサマック病院の物を借りましたが、出てきたのは大きなのこぎりで、「私たちは、こんな大きなのこぎりで手の骨は切れない!」と現地のドクターに助けを求めて、ようやく手術が終わりました。

浅野先生と一緒に手術中。
浅野先生と一緒に手術中。

左端と左から3人目は現地の看護師。カンボジアでは手術室勤務看護師のほとんどが男性です。

患者さんと一緒に。
患者さんと一緒に。
右はカンボジア人のドクター


カンボジアで手術して感心するのは、患者さんたちが、小さい子も含めてとてもとても辛抱強いことです。手術室に一人連れてこられた4,5歳の子もが泣かずに手術台の上でじっとして、全身麻酔の前の点滴注射をされますし、大人も痛いですかと聞かないと自分からは「痛い」と言いません。

また全体に日本人にはかなり好意的なように見受けられました。病院のスタッフたちもニコニコして、手伝いましょうという感じでした。

カンボジア語はオークン(ありがとう)しか知らずに1週間過ごしましたが、次回行く時は、せめてもう少しカンボジア語を憶えてコミュニケーションをはかれるといいなと思います。


 

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